よくある質問 【歯科インプラントに関する質問】

Q:インプラントにはどんな素材を使用しますか?

A:身体になじみの良いチタン合金を使用します。
現在、インプラント治療で用いられている生体材料としては、純チタン、チタン合金、ハイドロキシアパタイトおよびジルコニアなどがありますが、チタン合金が最も一般的です。チタンは人工関節など歯科だけでなく幅広い医療分野で使用されている生体親和性の非常に高い材料で、チタン合金では、骨となじみを良くするための表面処理が行われています。

Q:インプラントはどのくらい長持ちしますか?

A:しっかりと定期的な管理と正しいケアを行えば、10年以上お使いいただくことができます。
インプラントは第二の永久歯とも呼ばれ、正しいお手入れを続けていれば10年以上はお使いいただけますが、長く使っていくためにはご自分の歯と同じように毎日お手入れをすることが重要です。正しいブラッシング方法のアドバイスを受け、半年に一度は必ず定期検診にご来院ください。

Q:インプラントは絶対に壊れないですか?

A:壊れることもあります。
インプラントの被せ物に使われている材料は、基本的に天然の歯に被せている材料と一緒です。ですから、被せ物が金属であれば壊れませんが、セラミックなどの白い歯は強い力が加わったときに欠けたり割れるリスクがあります。また、インプラントを固定するネジが緩んだり、最悪の場合インプラント自体が折れてしまうこともあります。元々噛む力が強い方や、硬い食品が好きな方、歯ぎしりをしている方はこれらのリスクが高くなります。したがって、インプラント治療を検討する際にこれらのリスクについて歯科医とよく相談する必要があります。

Q:喫煙者でもインプラント治療は可能ですか?

A:治療は可能ですが、当院では禁煙が原則です。

喫煙をすることでインプラントを骨に埋めても結合しにくくなったり、身体の抵抗力が下がることで術後の回復が遅くなったりしてしまいます。また、仮にインプラント治療が終わっても、将来的にインプラント周囲の歯ぐきの炎症が進行して、インプラントが抜け落ちてしまうリスクが高くなります。

Q:歯周病と言われましたがインプラント治療は可能ですか?

A:治療は推奨できません。まずは歯周病の治療が優先です。
歯周病が進行した患者さんの場合、顎の骨が少なくなっていてインプラント治療が困難な場合があります。また、歯周病に罹患していると歯ぐきの炎症によってインプラント周囲の骨が溶けてしまう「インプラント周囲炎」を引き起こすリスクが非常に高いため、まずは歯周病をしっかりと治療して、それからインプラント治療が可能かどうかを検査します。

Q:妊娠中でもインプラント治療の手術は受けられますか?

A:原則手術は延期です。産後をお勧めします。
妊娠中の歯科治療は、緊急性の高いものでなければ延期するのが望ましいとされています。インプラント手術の前に妊娠がわかった場合は、産後状態が安定するまで手術を延期します。ただし、術前の検査においても、歯科用レントゲンを撮影する際の微量な放射線被爆や、精神面および通院の負担もあります。したがってインプラント治療を希望される方で、かつ妊娠の可能性がある方は、事前に妊娠の可能性をスタッフにお伝えいただき、可能であれば出産後に詳しい検査を受けていただくのが良いです。

Q:インプラント治療を行うのに年齢制限はありますか?

A:ありますが、個人差があります。
若年者は成長により顔面の骨格が常に変化していきますので、成長が終了する20歳頃までは、インプラント治療を行うことは推奨されていません。また、高齢者における治療上の年齢制限は設けられていませんが、高齢の場合その他の全身的な病気を考慮する必要があるため、歯科医だけではなくかかりつけの内科医との相談が不可欠になります。

Q:歯が1本もありませんが、インプラント治療は可能ですか?

A:可能ですが、制限がある場合があります。
歯が1本もない場合、歯を支えていた顎の骨が減少していることが少なくありません。ほとんど骨がない場合、皆さんがイメージするような差し歯のインプラント治療を断念せざるをえない場合もあります。しかし、骨が少ない場合でもインプラントと入れ歯を組み合わせることによって、通常の入れ歯よりも安定した噛み合わせを作ることが可能な場合があります。詳しくは検査を受けていただく必要がありますが、ご興味のある方は一度ご相談ください。

Q:手術後に注意することはありますか?

A:数日間は歯科医師の指示に従って安静にし、食事にも配慮していただく必要があります。
手術後の数日間は麻酔が切れることによる痛みや腫れが出ることがあります。
その間はなるべく安静にし、固い食べ物を避けるなどご配慮をお願いしております。

Q:手術の際は痛みますか?

A:麻酔をするので基本的に痛みはありません。
当院で行うインプラント手術は、外来通院下での局所麻酔で行う手術になります。麻酔の注射を行う際に少し痛む場合もありますが、手術中の痛みは基本的にありません。万が一、手術中に痛みが出た場合は、手術を中断して麻酔を追加しますので、痛みを伴う状態での処置は行いません。手術後も鎮痛剤を処方しますのでご安心ください。

インプラントの手術後は、しばらくはインプラントに歯が装着できないと聞きました。本当ですか?

A:本当です。
インプラントが骨と結合するまでの間は、インプラントに過剰な力が加わるのを避ける必要があります。最低でも手術後3~6ヶ月間は、インプラントに歯を付けることができません。しかし、状況に応じてプラスチック製の仮歯か、通常の入れ歯を使用することもできますので、詳しくは歯科医師にご相談ください。

Q:インプラントのメインテナンスは必要ですか?

A:絶対に必要です。
インプラントの「治療」と「メインテナンス」はセットとして、インプラント治療を考えます。
インプラントは虫歯にはなりませんが、インプラントの歯周病である「インプラント周囲炎」になるリスクがあります。また、噛む力が強い場合、セラミックがかけたりネジが緩むなどの不具合が生じることもあります。インプラントは長期的にお口の中に残る人工物であり、不具合が起こっても簡単に抜いたり、被せ物を作り変えることが難しい場合があります。したがって、インプラントをできるだけ良い状態で永く使用していただき、また患者さんが気づかないような不具合も未然に拾い上げて早期対処を施すために、原則的にインプラント治療を行った歯科医院での定期的なメインテナンスが絶対に必要です。逆に言えば、インプラント治療後に定期検診に通わないのであれば、インプラント治療は受けないでください。