スポーツ用マウスガード

明石台 歯医者 スポーツマウスガード

サッカー、ラグビー、野球、柔道など、各種のスポーツを行う際に、お口の怪我の防止とパフォーマンス向上の為に、スポーツ用のマウスガードを使用するアスリートが増えています。
スポーツ中の不意の怪我により、折れたり、抜けてしまった歯は、たとえ治療が可能であっても一生もとの状態に戻ることはありません。スポーツをベストなコンディションで安全に楽しむためにも、歯科医院で製作したフィット感の良いスポーツ用マウスガードを使用してみてはいかがでしょうか。

スポーツ用マウスガードとは

明石台 歯医者 スポーツマウスガード

スポーツ用マウスガードとは、スポーツ中に口や歯を保護することを目的としてお口の中に装着するマウスピースです。マウスガードは、歯を強い衝撃から守り、唇や舌、顔面などの軟組織を保護する役割があります。また、マウスガードを装着することで、衝撃が吸収・分散され、特定の一部分に強い力がかかることを防ぎ、歯やお口の中の組織にかかる負担を軽減することができます。さらに、自分自身を守るだけでなく、対戦相手や味方選手との衝突の際に、自分の歯で相手の頭部、顔面、目などに怪我を負わせてしまうリスクを予防・軽減する効果もあります。

スポーツ用マウスガードには、市販の既製品と、歯科医院で製作するカスタムメイドのタイプがあります。お口の中に装着されるマウスピース等は、不適切なものであった場合、歯ならびやかみ合わせに悪影響を与え、かえってスポーツ時のパフォーマンスを低下させ、健康を害してしまう場合があります。したがって、スポーツ用マウスガードを製作する場合は、市販の既製品を利用するよりも、歯科医院で作ってもらうことが望ましいでしょう。ちなみに、歯科医院でスポーツ用マウスガードを製作する場合は、健康保険の適用外となるため自費治療となります。

歯科医師や歯科技工士などの専門家により適切に設計されたカスタムメイドのスポーツ用マウスガードを製作するメリットとして、厚生労働省は以下の5つを挙げています。

  1. 口の中にフィットしているので、「外れない」「呼吸を妨げにくい」「会話を妨げにくい」
  2. 違和感が少ないので「プレーに集中できる」
  3. きちんと口の中で安定している為、スポーツ時に脳震盪になりにくい
  4. かみ合わせが安定するので、食いしばりやすくなりパフォーマンスが上がる
  5. デザインが豊富

スポーツ競技とマウスガードの義務化

2023年3月現在、以下のスポーツ競技において、競技中のマウスガード(MG)の装着が義務化または許可されています。(一般社団法人日本スポーツ歯科医学会調べ)

競技種目 対象 備考
ボクシング 義務 必ず歯にしっかりと合ったマウスピースを使用しなくてはならない。赤色及び赤系統の色が含まれるものは禁止する。
キックボクシング 義務(国内・国際)
空手 義務(一部団体・国際)
テコンドー 義務(国内・国際試合) 透明・白のみ。例外なく装着義務。矯正装置等のない選手は上顎歯列を覆う。安全面から歯科医師作成のMGがベスト。
総合格闘技 義務(国内・国際)
ラグビーフットボール 義務(国内) 小学校5・6年生は推奨。13~18歳は義務。WR競技規則4条許可
アメリカンフットボール 義務(国内・国際) 見た目にわかりやすい色とする(白、透明は禁止)
ラクロス 義務(国内・国際) 女子:見た目にわかりやすい色とする(白、透明は禁止)。グラフィックの歯が描かれていてはならない。
男子:見た目にわかりやすい色とする(白、透明以外の色を推奨)。また使用するマウスガードは上顎の歯全てを覆うように歯科医もしくは歯科技工士により調整されたもの─歯科医もしくは歯科技工士により選手の受傷回避のために作られた口腔内保護用品のいずれかでなければならない。
ホッケー 義務(スポーツ少年団、マスターズ大会は強く推奨) 2022年度より完全実施(ゴールキーパー:推奨)
インラインホッケー 義務(国際アイスホッケー連盟:18歳以下、ワールドスケート:バイザー装着者) 統一ルールなし
アイスホッケー 成人女子:推奨
U-20男子:義務(条件付き)
女子:カスタムメイドの着用推奨
男子:「アンダー20」の年齢カテゴリーのプレーヤーは全員、顔面全体の保護具(フルフェイスバイザーまたはケージ)を着用していない場合には、マウスガード(望ましくはカスタムメイド)を着用しなくてはならない。
モーターバイク 推奨 出血が見やすい色
バスケットボール 許可(国内・国際) 透明
高校野球 許可 透明・白のみ
柔道 許可 透明・白のみ
ハンドボール 許可(国内・国際) 透明で単一色のMG装着を許可

当院におけるスポーツ用マウスガード製作の流れ

明石台 歯医者 スポーツマウスガード

  1. どのようなスポーツをしているのか、マウスガードにどれくらいの性能(耐久性、装着感、発音等)を求めるのかなどの問診を行います。また、MG製作の妨げとなるような虫歯、歯周病などの疾患がないか検査を行います。
  2. MG製作に先立って虫歯、歯周病などの治療が必要な場合は、そちらを優先して治療します。
  3. MG製作が可能と判断された場合、上下顎の歯型およびかみ合わせの記録を採得します。
  4. MGを製作します。
  5. MGをお口に装着して、厚みやかみ合わせなどに問題がないか確認し、調整します。
  6. 実際のプレー時にMGを使用してもらい、装着感、かみ合わせ、発音のしやすさなどを確認し、必要に応じて調整します。
  7. MGは消耗品です。適切に装着された後も、異常が生じていないか定期的な検診を行います。

スポーツ用マウスガード取り扱い時の注意事項

スポーツ時にはできるだけお口を清潔な状態に保つ

マウスガード装着時は、マウスガードを装着した側の歯が覆われてしまうため、唾液などによる自浄作用が働くにくくなります。そのため、お口の中が不衛生な状態で使用すると、虫歯や歯周病を悪化させることがあります。スポーツをする前はブラッシングやうがいなどを行って、できるだけお口を清潔な状態に保つようにしてください。

自分のものを使う

他人のマウスガードを使用することは衛生的に問題があるため必ず避けてください。もとより、各人によって歯ならびやかみ合わせは異なるため、他人のマウスガードを装着しようとすると、適合が悪く使用できません。絶対に貸し借りはしないでください。

練習時から使う

練習時でも怪我は発生しますので、マウスガードは試合の時だけでなく、必ず練習時から使用してください。また、マウスガードを普段の練習時から使用して慣れておくと、試合中の違和感が少なくなり、プレーに集中できます。

使用後は清掃する

マウスガードを使用したあとは、常温の水で洗ってください。清掃の際は、専用のスプレーや義歯洗浄剤を使用すると効果的です。お湯または熱湯での洗浄は、マウスガードが変形する可能性があるので行わないでください。また、歯ブラシなどで強くこすると傷がついて、かえって汚れや細菌がつきやすくなることがあるため、力をかけて清掃することは避けてください。

清掃後は乾燥して保管する

水洗後は保管用のケースに入れ、外からの圧力がかからない場所で、乾燥した状態で保管してください。

劣化や変形した場合は新しく作り替える

使用状況にもよりますが、マウスガードは時間の経過とともに劣化していきます。半年〜1年に1度は、定期的にマウスガードの点検を受けてください。必要に応じて調整を行います。
また、劣化したマウスガードは変形することがあります。ゆるくなり外れやすくなった時、話しづらくなった時、マウスガードが臭う時、顎の骨の成長や歯の生え変わりなどによって装着感が悪くなったときは、そのまま使用せずに歯科医師にご相談ください。状況によっては作り替えが必要になることがあります。