よくある質問 【口腔外科に関する質問】

Q:口腔外科では主にどのような疾患を治療するのですか?

A:口腔外科は歯の抜歯、親知らずの抜歯、口腔粘膜疾患、顎関節疾患、顔面骨折、腫瘍の摘出など、口腔および顔面のさまざまな疾患を治療します。

Q:親知らずの抜歯はなぜ必要なのですか?

A:親知らず(智歯)はしばしばお口の問題を引き起こすことがあり、痛みや歯周炎などを生じることがあるため、抜歯が必要な場合があります。

Q:過剰歯は抜歯したほうが良いのですか?

A:一般的には抜歯したほうが良いです。過剰歯があると、歯ならびが乱れる、歯磨きがしにくくなり虫歯や歯周病を引き起こすなどの問題が生じるため、放置せずに抜歯したほうが良いでしょう。

Q:歯の抜歯が必要な場合、どのような状況で行われるのですか?

A:歯の抜歯は、重度の虫歯、重度の歯周炎、親知らずの炎症、割れたり折れてしまった歯、重度の歯ならびの不正など、さまざまな理由で必要となります。

Q:怪我で歯を折ってしまいました。どうしたら良いですか?

A:まずは傷口の周囲を洗浄し、出血があればガーゼなどで押さえて止血します。折れた歯は接着により修復することが可能なこともありますので、口に含んだまま(飲み込みそうな場合はやめて下さい)、あるいは生理食塩水や牛乳(なければ水でも良いです)に入れて持参し、できるだけ早く歯科医院を受診してください。

Q:怪我をして歯が抜けてしまいました。どうしたら良いですか?

A:抜けた歯や歯ぐきの状態が良ければ、もう一度再植することが可能な場合があります。抜けた歯を口に含んだまま(飲み込みそうな場合はやめて下さい)、あるいは生理食塩水や牛乳(なければ水でも良いです)に入れて持参し、できるだけ早く歯科医院もしくは病院の歯科口腔外科を受診してください。抜けてから30分以内であれば処置の成功率が高いと言われていますので、とにかく早めの受診を推奨します。

Q:怪我をしてお口の中を切ってしましました。どうしたら良いですか?

A:元々お口の粘膜は比較的出血しやすい組織です。多少血がにじむ程度であればそのまま様子をみてもらって大丈夫ですが、傷が深く自然に出血が止まらない場合は、歯科医院や病院の歯科口腔外科などの医療機関の受診が必要です。特に出血量が多い場合は窒息の危険もあるため、早めの受診が望まれます。受診までの間は、タオルやガーゼで傷口を圧迫して可能な限り止血を試みてください。

Q:歯の移植ができると聞きました。本当ですか?

A:本当です。保険診療では、虫歯や歯周病などで抜歯した歯の場所に、同一患者さんから抜いた埋伏歯(顎の骨に埋まっている歯)または親知らずを移植することが認められています。ただし、適用できる条件には限りがあり、また治療の難易度も高いため、必ずしも全ての患者さんで移植がうまくいくわけではありません。歯の移植を検討する際には、そのメリット・デメリットについて担当医と十分に相談し、リスクを十分に把握したうえで治療に望みましょう。

Q:口内炎ができました。どうしたらよいですか?

A:口内炎は、輪郭のはっきりとした丸くて浅い灰白色の潰瘍で、周囲は赤みを帯びて痛みがあります。7~10日くらいで自然に治りますが、ステロイド軟膏やうがい薬を使用すると痛みが軽減され、治りも早まります。治りが悪い場合や、境界が不明瞭でしこりがある場合などは別の疾患の可能性もありますので、気になるようであれば歯医者さんで診てもらいましょう。

Q:歯ぐきが黒ずんでいます。何が原因なのでしょうか?

A:様々な原因が考えられます。タバコなどに含まれる色素が沈着したもの、虫歯治療に用いる金属材料がイオン化して溶け出したもの、メラニン色素沈着などが代表的な原因ですが、血管腫や悪性黒色腫などの腫瘍が原因のこともあります。鑑別のために、一度歯科医の診察を受けるのが良いでしょう。

Q:お口が乾きやすいです。どんな原因が考えられますか?

A:様々な原因が考えられます。ストレスや高齢化は生理的な原因ですが、全身的な病気の治療に用いる薬の副作用や糖尿病、自己免疫疾患、口呼吸なども原因の一つです。治療は生活指導や対症療法が中心ですが、なかなか症状が改善しない場合は歯科医院で診察を受けるのが良いでしょう。

Q:舌がヒリヒリして痛みます。どうしてですか?

A:物理的な刺激(虫歯による穴、尖った歯、入れ歯のバネなど)、お口の乾燥、全身疾患(鉄欠乏性貧血など)、感染症(口腔カンジダ症など)、悪性腫瘍(舌癌など)、神経痛(三叉神経痛)、舌痛症など原因は様々です。症状が長く続くようでしたら、我慢せずに歯科医院で診察を受けるのが良いでしょう。

Q:舌の見た目がおかしいです。診てもらったほうが良いですか?

A:舌の見た目が変化する病気には細菌感染が原因なもの、腫瘍が原因なものそれぞれがあります。また、お口の清掃不良が原因で、舌に舌苔が沢山付着している場合もあります。口の中を清潔にしても改善しない場合は、歯科医院で診察を受けるのが良いでしょう。

Q:お口にも癌(がん)ができるって本当ですか?

A:本当です。お口にできる癌を総称して「口腔がん」と呼びますが、口腔がんのできやすい場所は、舌・歯ぐき・頬の粘膜です。口腔がんの発生にかかわる要因は様々ですが、代表的なものは喫煙と飲酒です。不潔な口腔衛生状態、適合の悪い入れ歯などによる機械的刺激なども原因とされています。お口の中になかなか治らない炎症やしこり、潰瘍がある場合は、早めに歯科医院や病院の歯科口腔外科を受診しましょう。

Q:整形外科で骨粗鬆症の薬を使うことになり、事前に歯医者さんを受診するよう勧められました。どうしてですか?

A:骨粗鬆症に使用されるお薬の中には、骨を強くする作用を有する一方で、副作用として顎の骨が壊死してしまう副作用を有するものがあります。これらの薬剤が関連する顎の骨の壊死は、骨粗鬆症のお薬を使用している全ての方に起こるわけではありませんが、事前に必要な歯科治療を受けておくことで発症を予防できます。担当医から歯科受診を勧められたら、速やかに歯医者さんで診てもらいましょう。

Q:顎関節症はどのような症状を引き起こすことがありますか?

A:顎関節症は、顎関節や周囲の筋肉に関連する症状を主要な症候とする障害の包括的診断名です。主な症状は顎関節や咀嚼筋の痛み、顎の関節音(お口を開け閉めしたときの「カクッ」「ジャリジャリ」「ミシミシ」といった音)、開口障害(お口を大きく開けづらい、開かない)、頭痛、顔の筋肉の緊張などです。

Q:歯の矯正治療を行うにあたり、外科手術が必要と言われました。どうしてですか?

A:通常の矯正歯科治療では、歯ならびの不正を抜歯や矯正装置による歯の位置移動で改善します。しかし、歯ならびの不正の原因が顎顔面の骨格にある場合があります。これを「顎変形症(がくへんけいしょう)」といいますが、矯正装置だけでは十分な改善を得ることができません。そのため、外科手術によって顎の位置や形態そのものの改善を図る治療が必要になります。該当する患者さんが来院された場合、当院では専門の医療機関に紹介させていただきます。

Q:口腔外科でよく聞く「小手術」とはどのようなことを行うのですか?

A:口腔外科における、外来通院下で行う抜歯や粘膜の切開、歯根端切除術、嚢胞摘出術などの小規模の手術を総称して「小手術(しょうしゅじゅつ)」と呼びます。通常は局所麻酔下で実施します。

Q:口腔外科で行う小手術に伴うリスクはありますか?

A:小手術の難易度は患者さんそれぞれで異なりますが、通常、すべての手術にはリスクが伴います。口腔外科小手術のリスクには出血、感染症、神経損傷などが含まれます。実施に際しては、事前に患者さんと処置内容について相談し、リスクを最小限に抑える努力を行っております。

Q:口腔外科の小手術中は痛みを感じますか?

A:通常、口腔外科小手術は局所麻酔の下で行われますので、手術中は痛みを感じません。

Q:小手術後のケアについて教えてください。

A:一般的な手術後のケアには鎮痛薬および抗生物質の服用、食事制限、衛生習慣の注意が含まれます。処置内容によって指示が異なりますので、具体的なケアの方法については治療時にお伝えします。