よくある質問 【睡眠時無呼吸症候群に関する質問】

Q.歯医者さんでは睡眠時無呼吸症候群に対してどのような治療を行いますか?

A.歯科では閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)の軽症または中等症の患者さんに対して、夜間の睡眠中に、上下顎の歯列に一体型のマウスピース(口腔内装置:OA)を装着し、下顎を前方に誘導することで、狭くなっている上気道を広げる治療を行います。OAを装着することで気道の閉塞が減少し、安定した呼吸が可能になるため、OSASの症状が軽減または改善します。

Q.歯医者さんで睡眠時無呼吸症候群の診断は受けられますか?

A.歯科医師は睡眠時無呼吸症候群の診断には関与できません。しかし、医師の診断を受けた患者さんに対して、医科医療機関からの依頼があり、紹介状を持参した場合に限り必要な歯科的治療を提供できます。歯科的治療とは具体的にはOAを製作することです。

Q.歯科的治療はどの種類の睡眠時無呼吸症候群の患者に適していますか?

A.歯科におけるOA治療は、軽症から中等症の閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)の患者に適しています。重症の場合には、経時的持続陽圧呼吸療法(CPAP)など他の治療法が優先されます。ご自身がOA治療の適用になるかどうかは、医科主治医にご相談ください。

Q.歯科的治療を行うにあたって、どのような検査や評価を受ける必要がありますか?

A.まずは医科主治医からの紹介状をご提示ください。ついで、問診、口腔内の詳細な診査、レントゲン検査等を行い、歯科的にOA治療が可能かどうか判断します。

Q.歯科的治療を受ける際、患者は何を留意すべきですか?

A.虫歯、歯周病、顎関節症などがある場合、OA製作に先立ってそちらの治療を優先する場合があります。また、OA治療は、残っている歯が少なく、マウスピースの固定が困難な場合は適用外です。また、耳鼻科的な疾患があり、鼻呼吸ができない患者さんも適用外です。

Q.歯科的治療のリスクや副作用はありますか?

A.OAの装着直後は、一時的に歯やお口の違和感が生じることがあります。また、OAを長期的に使用すると上下顎の骨や筋肉、位置関係が変化し、かみ合わせが変化する場合があります。そのため、OA治療が終了した後も、定期的な検診を受ける必要があります。

Q.歯科的治療は、CPAP(経時的持続陽圧呼吸療法)などの他の治療法と比べてどのような利点がありますか?

A.OAはCPAPと比較して、機械を使用しないため維持管理の手間が少なくすみます。また、小型で携帯性に優れるため、旅行や出張など、外泊先でも使用することができます。

Q.睡眠時無呼吸症候群かもしれません。どこの病院を受診したら良いですか?

A.睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合は、まずは耳鼻咽喉科や呼吸器内科を受診してください。医科医療機関を受診せずに、睡眠時無呼吸症候群の治療を希望して歯科医院を受診しても、OAを製作することはできません。