知覚過敏と噛みしめ ~むし歯でないのに歯がしみる!~

仙台市泉区 明石台歯科医院 知覚過敏

冷たい水や甘いものなどを口に含んだ時にキーンとしみる、歯磨きの時に歯ブラシの毛先が歯に触れるとピリッと痛い、食べ物を噛んだ瞬間痛い、このような時むし歯になったかも?と考えてしまいます。歯科医院で診てもらうと「むし歯ではない」と言われます。いわゆる「知覚過敏」です。昔TVコマーシャルで流れた「むし歯でないのに歯がしみる!」状態です。
最近、新型コロナウイルスの感染が拡大してから、このように歯がしみる、噛むと歯が痛むと訴えて受診する方が増えているように思われます。自粛生活の影響でしょうか?知覚過敏はピタッと症状を取ることは難しく、この原因を理解し、この症状とうまく付き合っていく必要があります。今回はそのような知覚過敏について以下の内容でお話しします。

  • 知覚過敏の症状は?
  • なぜ知覚過敏が起きるの?
  • 知覚過敏の対処法は?
  • 知覚過敏の治療法は?

それでは一つずつご説明していきます。

知覚過敏の症状は?

知覚過敏の症状は主に、冷たいものが歯に触れるとしみる、甘いものを食べるとしみる、熱いものもしみる、食べ物を噛むと痛い、歯ブラシが歯に当たると痛い、などがあります。食べたり、飲んだりしなければ、特に痛みはないです。多くはこのような症状が1~2週間続いた後に来院するようです。
レントゲン写真を撮って調べてみても、むし歯にはなっていません。ただ、しみる歯の歯ぐきがやせて歯の根と呼ばれる部分が歯ぐきより表に出ています。進行すると、歯の根の部分がV字型にえぐられてきます。そのような歯の根の部分に冷たいものなどが触れた時にしみる症状が発現します。

なぜ、知覚過敏が起きるの?

いろいろな原因が考えられます。

  1. 歯ぎしり
  2. 食いしばり
  3. 強い力で歯磨きする
  4. などが主な原因です。

    1. まずは、歯ぎしりです。人はストレスを感じると歯ぎしりをして、そのストレスから逃れようとします。ストレス発散のはけ口として歯のこすり合わせや噛みしめを行うのです。ストレスは肉体的なものと精神的なものがあります。肉体的な例として、疲れや寝不足、また、歯の噛み合わせの不調などです。精神的な例として、気になることがある、悩みを抱えている、しなければならないことがある、試験が近いなどです。このようなストレスがあると、歯ぎしりをして、強く歯をこすり合わせ、歯の神経が敏感な状態になります。ちょっとの刺激でしみたり、痛みを感じたりします。ひどい時は歯に亀裂が入ったり、詰め物が取れることもあります。歯ぎしりは主に夜間就寝中に、それも眠りが浅い時に行うようです。眠っているので、自分の意志ではなかなか止めることは難しいようです。
    2. 食いしばりも原因となります。例えば、日中パソコンなどに向かって仕事をしている時に、無意識に上下の歯を噛みしめていることはありませんか?癖でついつい噛んでしまう。または、噛みしめることで自分の感情を抑えようとする。よくマンガなどで「歯ぎしりして悔しがる」シーンがあります。噛んでる間ずーっと歯に力が加わり、歯の神経の緊張状態が続くので、知覚過敏が起こりやすくなると思われます。
      歯ぎしりや食いしばる癖のある方には共通して、舌に歯の跡がついています。舌の左右の横の部分を鏡で見てください。舌の横がトタン屋根のように波打ってシワシワになっています。
    3. 歯磨きの際の力が強い方は、歯ぐきがやせて、知覚過敏が起こりやすいです。特に歯ぐきの厚みが薄い方は、強く磨きすぎると歯ぐきがやせやすいです。また、歯を白くしたいからと研磨剤入りの歯磨き粉でゴシゴシ横磨きをする方。歯ブラシの毛が硬いものを好んで使用し、強く磨く方。注意が必要です。
      その他、喫煙者はタバコの熱で歯が一過性のやけど状態になり、知覚過敏が起きます。喫煙者は知覚過敏になりやすいです。また、歯ぐきの炎症も起きやすいので、歯周病を併発することが多いです。
      柑橘類を好んで食べる方、炭酸飲料などを習慣的に飲む方は、酸によりお口の中が酸性に傾くことで、歯のエナメル質が脱灰して、しみやすくなります。

    知覚過敏の対処法は?

    症状が軽い場合は、以下の原因に応じて、それぞれの対処法を取ってみて様子を見ます。

    1. 歯ぎしりが原因の場合:まず、肉体的には休息をとるなどして体をやすめ、疲れをとる。精神的にはリラックスして、緊張する原因から解放されるのが理想です。
      そして、就寝前の環境をできるだけうまく眠りモードに入れるようにする。入浴はぬるめにし、ゆっくり入って疲れを癒す。眠る前にパソコンやスマホを見ない。照明も目に優しい明るさにする。などです。そして、ふとんに入ったら、上下の歯を合わせないように、歯と歯の間にわずかなすき間をあけるようにして、噛み合わせたまま眠らないことです。口は閉じますが、上下の歯は噛まないようにして鼻で呼吸するようにして休むのです。もし、朝方眠りが浅くなり、歯を噛みしめていることを察知した時は止めればよいです。そのようにして、噛みしめないように普段から意識することが大切です。
    2. 食いしばる場合:なるべく意識して噛みしめないことです。日中は自分で注意することで歯への刺激が少なくなり、症状が緩和します。
    3. 歯磨きの圧が強すぎる場合:適切な歯ブラシで、適切な圧力で、適切に刷掃することです。そのためにも歯科医院で自分の歯磨きの仕方がどうか見てもらうことが良いでしょう。歯磨き粉も研磨剤などが入らないものに替える必要があります。歯科医院では知覚過敏専用の歯磨き粉を販売しております。一度専用の歯磨き粉を使い続けてみてはいかがでしょうか?
    4. 喫煙者の方は、基本的に喫煙を止めることです。喫煙は体にとって良いことはありません。きっぱり禁煙することです。
      柑橘類や炭酸飲料なども量を減らすなどして、口の中の酸性状態が続かないように気を付けることです。

    知覚過敏の治療法は?

    象牙細管と呼ばれる神経への伝達路を塞ぐ方法と噛み合わせをコントロールをする方法があります。

    1. 薬の塗布:知覚過敏用の塗り薬があります。それをしみる部分に塗布します。塗ることで、刺激物が神経へ伝わる伝達路を塞ぎ、刺激が神経に伝わりにくくします。何度か塗布する必要があります。これと併用して自宅などでも知覚過敏用の歯磨き粉を使用します。
    2. 歯の表面を薄いプラスチックでコーティングしたり、詰める:多くの場合歯の根の部分が歯ぐきより露出することで知覚過敏が起きます。その露出した歯の表面をコンポジットレジンなどで覆うことで、刺激が伝わりにくくなります。V字型にえぐれてくぼんでいる所にも同様に詰めます。
    3. マウスピース療法:自分の歯型に合ったマウスピースを作り、それを夜間はめて就寝します。マウスピースをはめることで、歯ぎしりしてもよい環境を作るのです。噛みしめたり歯ぎしりしたとしても、マウスピースにより力が分散し、特定の歯に過度の力が加わらないようにすることで、歯の痛みはなくなります。
      その他、軽度の噛み合わせの調整をすることもあります。

    色々行っても、強い痛みで我慢できない時は歯の神経の治療をすることがあります。

    終わりに

    歯は食べ物を噛むという大切な役割があります。また、スポーツや重い物を持つ時などに歯を噛みしめて力を発揮します。また、ガムを噛んで気分転換することもあるでしょう。しかしながら、人間はストレスを感じると、眠っている時に歯ぎしりをしたり、起きている時には歯を食いしばり、ストレス発散を図ります。その力は強大なので、このように知覚過敏症状が発現します。そうならないためにも、ストレスをうまく解消し、普段から歯を噛みしめないように注意して、口の力を抜いてリラックスして生活することが大切になります。

    知覚過敏が気になる方はぜひご相談ください。明石台歯科医院が皆様をサポート致します。

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