フッ素を虫歯予防に利用しましょう

仙台市泉区 明石台歯科医院 フッ素

そもそもフッ素とは何か

フッ素が虫歯予防に良いという話はテレビCM等でよく見かけると思います。
フッ素が含まれる無機化合物をフッ化物といい、虫歯予防に広く利用されています。
その主な効果としては、

  • 歯の質の強化、歯の結晶の欠陥の修復
  • 初期虫歯の進行を抑制する
  • 糖が分解され新たな虫歯が発生するのを抑制する

ということが挙げられます。わかりやすく言い換えると、フッ素は歯を強くして虫歯になりにくくしてくれるということです。では、そんな素晴らしいフッ素を、私達はどうやって虫歯予防に利用すればよいのでしょうか。今回はそんなお話をしていきたいと思います。

フッ化物の応用方法

フッ化物配合歯磨剤(歯磨き粉)

一番身近なフッ化物の利用方法は歯磨剤、すなわち歯磨き粉です。市販されている歯磨剤のほとんどのものには、フッ化物が配合されています。そのフッ化物イオン濃度は1500ppm以下に定められており、商品によって異なります。現在は1450ppmのものが最高で、子ども用は950ppm、500ppm、100ppmのものが売られています。濃度が高いほうが効果が高いわけですが、子どもの場合は単純に濃度が高いものを選べばよいというわけではありません。以下の表に示しましたが、年齢別の応用量が決まっていて、これを超えると中毒になってしまう場合がありますので適切な使用量を守るようにしましょう。
歯磨剤は、大人用はペースト状のものが一般的ですが、子ども用にジェル状、泡状、液体状のものもあり、これらはうがいができない低年齢児におすすめです。
また、保護者が仕上げ磨きをする場合、初めから歯磨剤を使用してしまうと、歯磨剤を歯に塗るだけになってしまい、肝心の歯の表面の汚れが取れていない可能性があります。まずは、水だけで磨いた後に、フッ化物配合歯磨剤でブラッシングをする「ダブル・ブラッシング」がおすすめです。
そして、フッ化物配合歯磨剤を使用したあとは、なるべくその効果を持続するために、うがいは少量の水で1〜2回にとどめましょう。何度もうがいをするとフッ化物の有効性が低下してしまいます。加えて、ブラッシング後1〜2時間は飲食を控えるようにしましょう。

フッ化物配合歯磨剤の年齢別応用量

年齢 歯磨剤使用量 歯磨剤のフッ化物濃度
歯の萌出~2歳 切った爪程度の少量 500ppm(泡状歯磨剤なら1000ppm)
3~5歳 5mm以下 500ppm(泡状またはMFP歯磨剤なら1000ppm)
6~14歳 1cm程度 1000ppm
15歳以上 2cm程度 1000ppm~1500ppm

出典:日本口腔衛生学会フッ化物応用委員会編,フッ化物応用の科学第2版,口腔保健協会, 2018.

フッ化物洗口(当院ではミラノール®という商品を取り扱っております)

この方法は、フッ化物を含む洗口液を口に含んで、歯全体に行き渡るようにブクブクうがいをする方法です。歯磨剤と違って、フッ化物洗口液は市販されていないので、歯科医師の指導のもと、歯科医院で購入する必要があります。生え始めや生えたばかりの歯に高い効果があるので、子どもの虫歯予防として非常に有効です。現在、学校や幼稚園、保育園でも導入する所が増えています。自分でブクブクうがいができるようになる4,5歳から使用することができ、14,15歳まで継続使用するのがおすすめです。簡単な方法ですが、十分な虫歯予防効果を得るためには、数年~10年以上継続して使用することが大切だとされています。当院では、ミラノール®という商品を扱っておりますので、ぜひご検討ください。

フッ化物歯面塗布(歯科医院で3ヶ月に1回検診時に行います)

フッ化物歯面塗布は、先に説明した歯磨剤や洗口液よりも高濃度のフッ化物製剤を歯に直接塗り込む方法です。歯科医院で歯科医師や歯科衛生士が行いますので、安全管理の点で優れており、洗口液がうまく使用できない低年齢児にも適応できる点がメリットです。歯が生え初める生後6ヶ月頃から行うことができますので、検診に合わせて虫歯予防を行うことができます。当院では、定期検診を“つるぴかキッズ”という名称で行っておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。

水道水フッ化物濃度調整(ウォーターフロリデーション)

日本では実施されていませんが、海外では、水道水に人為的にフッ化物を添加して虫歯予防に利用している国もあります。例えば、シンガポール、香港、コロンビア、アイルランド、アメリカ、オーストラリアなどです。また、フロリデーション以外にも、フッ化物錠剤や液剤投与、食塩やミルク、ジュースへ添加する方法もあります。

ちなみに、上記の各種フッ化物使用方法は、適切に使用すれば複数の方法を併用しても問題はありません。歯科医師や歯科衛生士の指導のもと、ぜひ上手に虫歯予防に応用したいですね。

フッ素を安全に利用するために

フッ素は、もともと自然界に広く存在している元素です。私達が普段食べている飲食物にも必ずフッ化物が含まれていますし、空気中や飲料水中にも天然のフッ化物が含まれています。しかし、何事もやりすぎは禁物で、フッ素を虫歯予防に利用する場合は、その摂取量に注意する必要があります。フッ化物を一度に多量に摂取すると、急性中毒になる場合もありますので、フッ化物配合歯磨剤やフッ化物洗口液の管理は必ず保護者が行うようにしてください。

以上、今回はフッ素の虫歯予防のお話でしたが、いかがだったでしょうか。当院では大人向けから子ども向けまで、様々なフッ化物製品を取り扱っています。このブログを読んで、より詳しい話が聞きたくなった場合は、お気軽にご来院ください。明石台歯科医院が皆様の健康をサポートします。

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