幼稚園や学校で歯科健診がありました。どうしますか?(前編)

仙台市泉区の歯医者 明石台歯科医院 学校 歯科健診

学校歯科健診とは

まずは、そもそも学校健康診断の目的は何か、そして学校での「健診」と歯科医院での「検診」の違いとは何かについてご説明いたします。

1. 定期健康診断について

学校での定期健康診断は学校保健安全計画に基づいて毎年6月30日までに実施する(学校保健法施行規則第3条により)とあります。

こで、学校における健康診断の考え方とは

  1. 子供の成長の状況を把握する
  2. 潜在する疾病を早期に発見して適切な処置を講ずる
  3. 生涯の健康のための教育効果を高めることが目的であり、健康であるかどうかふるい分けることを目標としたスクリーニングであり、医学的な立場からの確定診断を行うものではない

とうたってます。

2. 学校歯科「健診」と歯科医院での「検診」は違うもの

学校歯科健診の結果が「異常なし」となっていて、ご安心されている方もおられると思います。ですが学校歯科健診の結果は、「虫歯やその他の異常がなかった」ことを保証するものではありません。

逆に、学校歯科健診では「虫歯あり」となっていたのに、歯科医院を受診して詳しく検査をしてもらうと虫歯がなかった、と言うご経験のある方もおられると思います。

これはどちらかの歯科医師が間違っていたということではなく、そもそも学校歯科健診と歯科医院での検診の目的と、それを行う環境の違いによるものです。

それでは、学校歯科健診と歯科医院で行う検診とはどのように違うのか以下に述べます。

①学校歯科健診の目的:「目でわかる」問題の洗い出し

学校歯科健診は、主に目で見てわかる範囲の異常を確認する「スクリーニング検査」です。スクリーニング検査とは、大勢の人の中から「特定の病気の疑いがある人」の早期発見、早期治療につなげるための検査です。従いまして、お子さんのお口の状態を「健康・要観察・要精密検査」の3段階に大まかにふるい分けしていきます。歯科医院での診察と変わらないように見えますが、歯科医院で行うような精密な検査はできません。見落としがないよう歯科医師が一生懸命気をつけていても、限られた時間と設備、目視のみでは、歯と歯の間の小さな虫歯まで全て確認することは難しいです。

これが、「歯医者に通ってるのに、学校健診結果では虫歯ありとなっていた」「学校歯科健診では異常なしだったのに、歯医者さんで虫歯が見つかった」となる理由です。

②歯科医院での「検診」の目的:十分な設備のもとで「総合的な診断」を行うこと

歯科医院での検診は、歯科医師や歯科衛生士が、歯の状態、歯肉の状態、歯磨きの状態、歯並びの状態、その他の異常の有無など様々な角度から細かくチェックし、目視や触診そしてレントゲン画像などをもとに総合的に診断していきます。歯科医院での検診の目的は、現状をきちんと把握した上で確定診断をして、一人ひとりに合った治療や予防処置の方針を決めるためのものなのです。そのためには、器具や明るい照明、レントゲンなどの機器が揃った状態の「お口の中がしっかりと見える環境」が重要なポイントなのです。

これが歯科医院での検診の意味で、学校歯科健診の「結果の用紙」の内容は、あくまでも目安であり、確実に診断するのであれば、歯科医院での受診が必要となる理由です。

まとめ

さて、今回のコラムでは、そもそも「学校歯科検診とは何か?」ということについてお話してきました。次回のコラムでは、学校歯科健診の結果のお知らせの見方についてお話しします。引き続きご愛読いただきますようよろしくお願いいたします。

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