大人の口呼吸の弊害②

みなさんこんにちは。
今回のコラムは、前回に続いて「大人の口呼吸の弊害」についてお伝えしていきたいと思います。

前回は、鼻呼吸と口呼吸の違いについて、以下を解説してきました。

・鼻呼吸のメリット・口呼吸のデメリット
・口呼吸している人の特徴
・口呼吸の原因は

その続きの今回は、口呼吸の対応策について以下の点から解説していきます。

・口呼吸にどう対処する?
・あいうべ体操のすすめ
・睡眠時の口呼吸を防ぐために
・まとめ

口呼吸にどう対処する?

前回のコラムでは口呼吸の弊害についてお伝えしてきました。それでは、このような口呼吸をしないようにするためには、どのようにしたらよいでしょうか?

  1. 耳鼻科的な問題や気道の問題については、耳鼻咽喉科を受診する
  2. 口の周りの筋力の低下については、筋力アップのトレーニングをする
  3. 普段から口を閉じるように意識する
  4. 先に挙げた口呼吸の原因に当てはまる習慣があれば、その習慣について見直し、行わないようにする

そこで今回、上の2.の口の周りの筋肉の筋力アップに最適なトレーニング法を教えます。
それが「あいうべ体操」です。

あいうべ体操のすすめ

「あいうべ体操」は、舌や口の周りの筋肉を強化するために、とても簡単に行える体操です。福岡・博多にある「みらいクリニック」の今井一彰先生が考案されました。「あ」「い」「う」で口の周りの筋肉を、「ベー」で舌の筋肉を鍛えます。それぞれ大げさにしっかり行うことがポイントです。

やり方は
①「あー」と口を大きく縦に開く
②「いー」と口をしっかり横に開く
③「うー」と口を前にしっかり突き出す
④「ベー」と舌を出来る限り下に突き出す
とゆっくり行ってください。
これを1回とし、1日30回行ってください。特に「ベー」は舌の筋力をアップさせることで、舌が挙上しやすくなり上あごにくっつけることで、鼻呼吸がしやすくなります。

さらに次のような効果も現れます。口や舌を動かすことで唾液が出るようになり、口の乾き防止になります。また、口の周りの筋肉を使うので、顔の血流が良くなり、頭が冴え、学習にも効果的です。さらに首や肩のコリ、目の疲れなどの改善にも効果があります。
これを毎日続けることで、口を閉じやすく鼻呼吸しやすくなるのを実感できるようになります。さらに小顔効果も現れます。口の周りの筋肉がシェイプアップされることで、顔のたるみがなくなり、顎周囲が尖ったすっきりした顔貌に変化します。その他口呼吸による様々な病気についても改善の報告があります。

睡眠時の口呼吸を防ぐために

普段は鼻で呼吸していても、夜の睡眠時に口を開けて口呼吸していることがあります。これはひとつに歳を重ねると舌や口の周りの筋力が衰えてくるからです。また、仰向けで寝る習慣があると、舌の筋力の衰えのため、舌が奥に下がり、口は開き、気道も狭くなります。そのため口で呼吸しつつ、また息がしにくくなるため、いびきをかいたり、無呼吸の状態が起こるようになります。結果、朝起きた時、口が乾燥していたり、のどがヒリヒリします。また、風邪やインフルエンザにもかかりやすくなります。無呼吸により十分な睡眠が確保されないため、日中眠気が襲い、日中の活動への影響も出てきます。

そこで、「あいうべ体操」などをして、口の周りの筋力をアップさせる必要があります。また口にテープを貼り、強制的に口を閉じて鼻で呼吸するようにし、なるべく横向きで眠るようにします。こうすることで睡眠時の口呼吸を避け、鼻呼吸するようになり、良好な睡眠を得ることができるようになります。口の中も唾液で潤っているので、細菌の繁殖予防にもつながります。

まとめ

口呼吸の弊害について2回に分けて色々お話ししてきました。歳を重ねると筋力の低下による様々な体の不調が発現してきます。これを「フレイル」と呼びます。口についても「オーラルフレイル」と呼び、口の周りの筋肉の低下により、口呼吸につながり、全身の健康に影響が出てきます。
普段からあいうべ体操などで口の周りの筋力を活性化し、口を閉じ、舌を上あごにつけて鼻で呼吸する鼻呼吸をするよう意識しましょう。

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