保険の白い歯と自費の白い歯で何が違うのか?(後編)

仙台市泉区の歯医者 明石台歯科医院 保険の白い歯と自費の白い歯

皆さんは虫歯になったときに銀歯と白い歯、どちらで治療したいですか?

前回のコラムでは、保険の白い歯とはどういうものなのか、そして、良い治療を受けるためには普段からの定期的な歯科検診を受けることが大切であることについて解説してきました。
後編の今回は、自費のセラミックの歯について解説していきたいと思います。

セラミックの白い歯

セラミックの歯にはどういった種類があるのでしょうか。
現在は様々なセラミックの歯がありますが、代表的な3種類について解説します。

オールセラミック

歯全体がセラミックでできた被せもの・詰め物です。いわゆる「セラミックの歯」ですが、材質的に大まかに3種類に分けられます。

A:ジルコニア

人工ダイヤモンドとして聞いたことがあるかもしれません。非常に硬いセラミックで、従来は金属でないと作ることが難しかった長いブリッジや奥歯などに用いることができるセラミックです。“CAD/CAM(キャドキャム)”といった「コンピュータで設計し、ミリングマシンとよばれる機械加工で、ジルコニアのディスク(板)を削り出す技術」によって作ります。ただし、既製品のディスクの削り出しなので、あとから色を修正できる範囲に制限があり、色合わせが難しいといったデメリットもあります。

B:プレスセラミック

e.maxという製品名で聞いたことがあるかもしれません。鋳造のようにセラミックを加熱・成形することで、詰め物から被せものまで幅広い範囲で歯を作ることができます。ジルコニアほどの硬さはありませんが、見た目が非常に綺麗です。ただし、これも色合いの再現に限界があります。

C:ポーセレン(陶材:とうざい)

いわゆる昔からあるセラミックの歯です。何層にもわたって、色の異なるポーセレンを重ねて焼き上げることで、天然の歯に近い色合いを醸し出します。1つ1つの色合いが完全に手作業で作られるので、最も色合いが綺麗で美しい仕上がりになります。ただし、デメリットはオールセラミックの中で最も強度が低く割れやすいことです。最近では、力の加わる土台の部分をジルコニアで作り、外から見える表面をポーセレンで覆うことで、強度と審美性を両立させた「ジルコニアポーセレン」の歯もあります。

ハイブリッドセラミック

セラミックと硬質レジンの複合材料です。セラミックスの美しさと硬質レジンの粘り強さを併せ持った性質があります。保険の白い歯よりも見た目や耐久性に優れますが、オールセラミックには及びません。比較的安価に作ることができますが、ジルコニアに代表される新しいタイプのセラミックの登場により、需要は減少傾向にあります。

メタルセラミック冠(メタルボンドクラウン)

鋳造で作った金属の被せ物の上に、ポーセレンを焼き付けた差し歯です。少し昔のいわゆる白い歯といったらこれになります。表面はポーセレンですが、内部が金属ですので、透明感はオールセラミックに劣ります。ただし、長いブリッジでも安定した適合精度を確保できることや、入れ歯のバネをかける歯としては非常に優れた性質を持っていますので、オールセラミックが全盛の現在でも依然として需要があります。

セレックOne Visit Treatment

以前のコラム『セレック One Visit Treatment「デジタル化で1日で白い歯を」』でもご紹介しましたが、最近ではセラミック治療を1日で終えることができるようになってきています。

セレック治療とは、ドイツで開発された、最新の歯科用デジタル機器『セレック」を用いた審美歯科治療です。コンピュータを使用してセラミックの詰め物や被せ物を製作し、それを歯に装着する治療です。当院ではこのセレック治療システムを導入しておりますので、高品質なセラミック治療を行うことができます。ぜひ、上記のコラムもご参照ください。

セラミックの白い歯のメリット・デメリット

メリットは、なんと言っても見た目が美しいことです。自分の天然の歯の色や形に合わせて詰めたり被せたりしますので、どこを修復したのかわからないくらい自然な仕上がりになります。使う材料により差はありますが、いずれのセラミック材料も保険の白い歯よりも綺麗で耐久性に優れる(=擦り減らず、変色しにくい)ため、ピカピカの白い歯が長持ちします。歯が綺麗だと笑顔に自身が持てるようになります。

また、セラミックの歯はプラーク(歯垢)がつきにくく衛生的です。メタルボンドクラウンを除いて金属を一切使用していないので、金属アレルギーの心配もありません。金属と比べて歯との接着力が強いため再治療の頻度が少ないです。

デメリットは、日本においては保険適応外なので、保険の白い歯と比べて治療費が高額になってしまうことが挙げられます。しかし、セラミックにはその値段に見合った価値があるため、一度その価値に気づいてしまうと納得していただけることが多いです。また、歯ぎしりや噛みしめなどの癖がある方は、その強大な噛む力で欠けたり、割れたりすることがあります。

すべてセラミックで直したほうが良いのか?

基本的に白い歯で治療するのであれば、保険の白い歯よりも自費のセラミックで治療したほうが断然良いです。
しかし、これは意外と難しい問題です。というのも保険の白い歯・自費のセラミックを問わず、白い歯は金属の詰め物や被せ物と比べて、歯を削る量が多いからです。理由は簡単で、金属と同じ強度を保ち、かつセラミックの透明感を出すためには、セラミックの厚みを確保しないといけないからです。ですから、セラミック治療のために健康な歯を多く削ることで、かえって歯の寿命を縮めてしまうこともあります。したがって、セラミックの適応症例かどうかは慎重に見極める必要があります。なんでもかんでも白いセラミックで直せば良いという単純な話ではありません。

まとめ

さて、2回にわたって「保険の白い歯と自費の白い歯で何が違うのか?」という問いについて解説してきました。せっかく治療するならば、白い歯で治したいとは誰しもが思うことだと思います。でも、明石台歯科医院では歯医者に言われるがままにセラミックにするのではなく、できれば患者さん自身が自分のお口に興味を持っていただき、自分が納得する白い歯で治療を受けていただきたいと思っております。本コラムがそんな皆様の手助けになれば幸いです。

今入っている銀歯をセラミックに変えたいとか、保険の差し歯をきれいにやり治したいとか、現在ご自分の歯の見た目について悩んでいらっしゃる方は、ぜひ一度、明石台歯科医院までお気軽にご相談ください。お待ちしております。

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