歯医者の定期検診って必要ですか?

仙台市泉区の歯医者 明石台歯科医院 歯医者の定期検診

歯医者さんで治療が終わると、定期検診を勧められた経験はありませんか。

「せっかく治療が終わったのにまた次の治療の話?もう歯医者なんてしばらく通いたくないよ。」って思った方もいらっしゃると思います。では、そもそもどうして定期検診が必要なのでしょうか。
今回のコラムは、歯科における定期検診の重要性とその意義について、予防医学の観点からご紹介したいと思います。

健診と検診

ひとえに「けんしん」と言っても、健診と検診の2種類があることをご存知でしょうか。この2つは似ているようで異なります。辞書を引くと以下のように書いてあります。

健診

「心身の異常にかかわらず、疾病の予防・早期発見のために医師が診断すること。健康診査あるいは健康診断の略。」

検診

「病気にかかっているかどうかを知るために診察すること。」

つまり、健診は特定の病気を見つけるためではなく、幅広く健康状態を確認することであり、検診は特定の病気を見つけるために詳しく検査をする、ということになります。ですから、歯科における定期けんしんは、「虫歯」や「歯周病」に代表される歯科特有の病気を見つけるための診察になりますので、定期検診ということになります。

疾病予防の概念

LeavelとClarkという人は疾病(=病気)がたどる経過を3相5段階に分けて説明し、それぞれの段階における予防対策をまとめました。これを虫歯を例として解説します。

① 第一次予防:歯が健康な状態のとき

1. 健康増進

栄養指導、食事指導、生活指導、定期検診など

2. 特異的予防

フッ素洗口、フッ素塗布、シーラント(小児の奥歯の溝の封鎖)、歯並び矯正、歯科医院でのクリーニングなど

② 第二次予防:虫歯になっても痛みなどの症状がないとき

早期診断・早期治療

早期に初期の虫歯を発見・治療し、より深部に波及しないようにする。詰めもの程度の治療など。

③ 第三次予防:虫歯が進行して痛みなどの症状が出たとき

1. 機能障害の防止

症状の悪化を防ぎ、より深刻な状態(歯が痛くて食事ができない、歯がかけて噛めない等)にならないようにする。歯の神経の治療や被せもの(差し歯、クラウン)、抜歯など。

2. リハビリテーション

歯を失ったあとの治療。入れ歯やブリッジ、インプラントなどの人工物によってによって失われた歯を補い、食べる機能や見た目を回復する。

定期検診を受けないとどうなるのか

定期検診を受けないと、病気に気づくのは大体の人が症状に気づく第三次予防のときです。
すなわち、元の状態には戻ることのできない、既に手遅れな状態で来院されます。現代では医療技術の進歩により、天然の歯と見間違うほどのセラミックの歯や、同じくらいの機能を発揮できるインプラント、美味しく食事ができる金属の入れ歯、といった素晴らしい治療方法がありますが、いずれも自費診療で健康保険に適応はありません。
すなわち、多くの場合、安価な保険診療に終始することになり、数年で変色するプラスチックの詰め物や、ギラリと光る銀歯、厚くて異物感の強いプラスチックの入れ歯で治療することになります。
そうなると、自分のお口に自身が持てなくなり、次第に歯医者で治療を受けるのが嫌になってしまう人もいるでしょう。

定期検診を受けているとどうなるのか

定期検診を受けていると、自分で症状に気づく前の第二次予防で食い止めることができます。すなわち、治療回数も少なく、治療費も抑えることができます。なんといってもこれが最大のメリットではないでしょうか。逆に言えば、トータルの治療費が抑えられるので1つひとつの治療の質を上げる余裕が生まれるかもしれません。つまり、たくさん虫歯があったら保険の銀歯で我慢していた治療も、1本だけの小さい虫歯ならセラミック治療を受ける気持ちになるかもしれません。あるいはいつものクリーニングに加えて、ホワイトニングにチャレンジしてみたくなるかもしれません。

当然ですが、特殊な条件を除いて、自費治療で使う薬剤や材料は保険診療のものと比べて材質・品質が優れています。長期的な耐久性や見た目に優れます。同じ治療を受けるにあたって、こういった良い材料を使わないのは非常にもったいないです。

普段のケアこそ大事 

定期検診は第一次予防に含まれますが、そもそも病的な状態にならないこと、日々の健康増進が大切です。ですから、当院では毎日のお口のケア用品(歯ブラシ、補助清掃具、歯磨き粉、洗口液、入れ歯洗浄剤など)もなるべく良いものや歯科専売品を使っていただきたいと思っています。せっかく良いものを使うのであれば、自己流で選ぶのではなく、プロ目線で自分の状態にあったものを選んでもらうのが良いでしょう。
(コラム「歯周病とは④~正しいブラッシング法」「歯磨き粉&洗口液の使い方」も読んでみてください。)

まとめ

定期検診の必要性について解説しましたが、いかがだったでしょうか。

治療する側の気持ちとしては、治療を終えたばかりの良い状態が末永く続いてほしいと願います。そのためには新たな病気になる前の定期検診が本当に重要です。今回のコラムを読んで、「最近しばらく歯医者に行っていないな」と思った方、今からでも遅くはありません。これからは何も症状がなくても歯科検診を受けることが当たり前の時代になりつつあります。

皆様、どうぞお気軽に歯科検診にご来院ください。お待ちしております。

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