大病院をかかりつけ歯医者にしても良いの?

仙台市泉区の歯医者 明石台歯科医院 かかりつけ 歯医者

以前、国民皆歯科健診についてコラムで触れた際に、かかりつけ歯科医院をもつことの必要性について少しお話しました(コラム「かかりつけ歯医者を持っていますか?ー将来の国民皆歯科健診に備えて」)。
皆さんの住んでいる周りには歯医者がたくさんあると思います。1つの歯医者から歩いて数分のところにまた別の歯医者がある、なんて光景は都市部でなくてもよくある光景だと思います。一方で、大学病院のような大きな病院にも歯科があり、そこに通院している方もおられるでしょう。
では、「大病院の歯科をかかりつけの歯科医院にしていいものなのでしょうか?」今回のコラムはそんな疑問について解説していきます。

大学病院の歯科とは

東北大学病院のような大きな病院には、歯科診療部門が設けられています。一般の歯科医院と同じように歯科治療全般を行っていますが、普通の歯科診療所との大きな違いは、主に扱っている治療の内容が「一般の歯医者では治療困難な症例」や「高度で専門的な知識・技術を必要とする症例」であるというところです。ですから、受診している患者さんのほとんどが、開業医からの紹介状を持参して受診します。こうした病院はいわゆる「3次医療機関」と呼ばれ、2次医療機関で対応できない重篤な患者に対応したり、高度で専門性の高い先端医療を提供します。

また、東北大学病院は「特定機能病院」といって、高度の医療の提供、高度の医療技術の開発及び高度の医療に関する研修を実施する能力等を備えた病院として、国が認めた病院になります。特定機能病院は、第2次医療法改正において平成5年から制度化され、令和4年4月1日現在で87病院が承認されています。宮城県の特定機能病院は東北大学病院だけです。

市中病院の歯科とは

市中病院とは、いわゆる一般の開業医からの紹介で受診するような複数の診療科を備えた大きめの病院のことです。
宮城県ですと、例えば東北労災病院、仙台医療センター、仙台赤十字病院、みやぎ県南中核病院、大崎市民病院などですが、これ以外にも沢山あります。
全国に600施設程度存在する「地域医療支援病院」などはこれに該当します。全ての病院ではありませんが、これらの病院には歯科もしくは歯科口腔外科が存在し、主に入院患者さんの口腔ケアをはじめとした歯科治療を行っています(コラム「周術期の口腔管理とは①」「周術期の口腔管理とは②」)。また、歯科口腔外科の場合は、一般の歯医者で治療が難しい外科処置、例えば骨折や親知らずの抜歯なども扱います。
これらの病院はいわゆる「2次医療機関」と呼ばれ、入院治療を必要とする重症患者の医療を担当したり、地域の中核的病院として、専門性のある外来や一般的な入院医療を行います。

医療機関の役割

一般の歯医者、すなわち歯科医院や歯科診療所は「1次医療機関」と呼ばれます。外来診療によって患者の医療を担当する医療機関として、日常生活での軽度のけがや病気に対する医療を提供します。いわゆるかかりつけ医になります。

では、こうした1次・2次・3次といった区分で医療機関が区別されているのはどうしてでしょうか。それは、限られた医療資源を効率的に運用するためです。例えば、なんとなく良い治療が受けられそうだからという理由で、軽度の虫歯で大学病院の歯科を受診すると、本当にそこで高度な治療を必要とする重症患者さんの治療の機会を圧迫するかもしれません。また、大病院はもともと勤務医の労働環境が過酷とも言われ、大病院に患者さんが集中すると、そうした労働環境の悪化に拍車をかけるとも言われています。

したがって、普段の受診はかかりつけ医を受診し、高度な医療は大病院で診てもらうというように、国は役割分担を明確に示しています。その1つとして、一般の歯医者からの紹介状を持たずに大学病院などの大病院を受診すると、通常の医療費とは別に定額負担と呼ばれる特別料金(選定療養費)を支払う必要があります。そして、この定額負担の料金が今年10月から引き上げられたことをご存じでしょうか。東北大学病院の場合、歯科の選定療養費は3,300円から5,500円に引き上げられました。ちなみに医科は7,700円もかかってしまいます。紹介状を持参した場合は選定料寮費はかかりません。

あるべき受診のかたち

「そのくらいのお金なら払ってでも大病院で診てもらいたい」という患者さんもいらっしゃると思います。しかし、大病院が近所にあるとは限りませんし、実際に受診しても手続きが一般の診療所よりも煩雑で時間がかかったりします。
つまり、かかりつけ医の方がスムーズに診察できるということがほとんどです。それに歯科の場合は予約診療がほとんどだと思いますが、大病院は予約が混み合っているため、希望してもすぐに診てもらえない、そもそも窓口の電話が繋がりにくいということもよくあります。
ですから、「普段の歯科受診はかかりつけ医にして、どうしても必要な場合に大病院(もしくは市中病院)を紹介してもらう」という受診の仕方が最もスマートだと思います。

かかりつけ歯科医院をどうやって探すか

信頼できる歯医者をどうやって見つけるか。これは難しい問題だと思いますが、現代ではホームページやSNS(インスタグラム、フェイスブック、ツイッターなど)で情報発信をしている歯科医院がほとんどですし、グーグルにも口コミが表示されるので、自分にあった歯科医院を見つける作業は一昔前よりやりやすいのではないでしょうか。

当院も地域のみなさまのお力になれますように、少しずつではございますが、こうしたコラムを通して情報発信を行って参りたいと思います。

まとめ

国も大病院への患者さんの集中を避けるためにいろいろな政策を行っているようですが、依然として大病院志向は根強いようです。

当院は「かかりつけ歯科医院」としてみなさまの健康に貢献していく所存ですが、必要と認めれば2次・3次医療機関への紹介を行っております。お口のことで悩んでいるが、いきなり大病院を受診するのには抵抗があるという方がおられましたら、どうぞ当院を受診していただけますと幸いです。
もちろん、新たに当院をかかりつけ歯科医院にしたいという方もお待ちしております。
スタッフ一同サポートさせていただきます。

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